オルタナティブ投資にというのは、株や債券以外の投資方法の総称というお話は以前に致しました。
代表的なものには不動産やベンチャーキャピタル、ヘッジファンドなど、一般の人にはなかなか聞きなれないもの、縁遠いものがあります。今回は個人レベルで出来そうなオルタナティブ投資についてご紹介してみたいと思います。
ただし、どちらかというと趣味性の高いアイテムを利用しての投資が多く、専門的な知識が必要だったり、目利きが必要だったり。投資としてより、楽しみながら購入し保有していたものが何年か経ったときに価値が上がり、結果的に伝統的な投資よりも高いリターンとなったというようなものには、どんなものがあるか?という視点で読んでいただけたら楽しいかも知れません。
●美術品
まずオルタナティブ投資として誰もが思いつくのは絵画などの美術品。持っていた絵画が何十年後かに数十倍、数百倍の価値になった話は昔から沢山あります。既に価値があるものを高価で購入できる場合は別として、無名のアーティストが有名になり作品に価値が出るまでには長期間を要する事が多いです。
詳しくは「美術品投資の魅力」でお話いたします。
●ワイン
日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパでは古い歴史を持ち、古代ローマの時代にはすでにオークションが行われていたことが知られています。ワインは嗜好品なので、投資としての側面ではうまく行かなくとも、良いワインを飲んで楽しむ事もできるのは魅力だと思います。
詳しくは「ワイン投資の魅力」でお話いたします。
●古銭や貴金属
古銭や金、プラチナ、銀などの貴金属はその希少性や需要の安定性から、投資対象として昔からあるオルタナティブ投資。古銭やエラー硬貨や紙幣などは、その希少性から値段が安定し、市場に出回る数か少なければ少ない程、高価で取引されます。
また金やプラチナなどの貴金属そのものが世界基準で価値があるものは、不況の際には価格が高騰する傾向にある為、金融資産以外の資産としてリスクヘッジできると人気です。
●ヴィンテージアンティーク家具や楽器
製造から30年以上が経ったものはヴィンテージ家具、100年以上前のものはアンティーク家具と区別されることもあります。北欧ヴィンテージが注目されており、特に希少性が高いものは数百万円で取引されています。
楽器は特に有名なのはストラディバリウス等、巨匠が作ったと言われる弦楽器が有名ですね。投資対象となる弦楽器は、17世紀から20世紀後半までに作られた弦楽器です。主にオールドイタリアンのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロになります。不安定な情勢の中でも価格が下落しない事から、海外を中心に投資対象として注目され始めました。
● コレクタブルカード
スポーツカード、トレーディングカード、ポケモンカードなどのコレクタブルカードは、その稀少性や人気によって高値で取引されることがあります。
これらはオルタナティブ投資の一部の例です。
オルタナティブ投資は多様な形態を取りますが、それぞれが特有のリスクとリターンを持っています。ご紹介したものは不動産やベンチャーキャピタルのようなかなり上級者のオルタナティブ投資ではなく、趣味の延長線上で気軽に出来そうなもの。他にも昔のおもちゃや、スポーツ選手のグッズ、一時期加熱したスニーカーなど・・・楽しみながら保持しているうちに、ものすごい価値が付くことも。
投資の意味合いでチャレンジするならばリスクを理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて選択することが重要だという事は、どの投資方法も変わりません。